自然を巡る生き方。 -生命と自然治癒力-

自然に則して生きることができたら、生命はもっと幸せなのだと思う。

自然治癒力を伸び伸びと働かせるために、『消化』を意識しよう!

 前回は、時間栄養学と自律神経を絡めた食事(主に朝食)の話をしました。
今回は、食事の内容ではなく、食事に関連することと自然治癒力にスポットを当ててお話していきます。

 

自然治癒力が伸び伸びと羽を伸ばすためには?

 『自然治癒が働くのを邪魔しなければいい。』 これだけです!

邪魔したい人なんかいないと思いますが、実は知らないうちに邪魔してしまっているかもしれませんよー。

 ※今回は食事限定でお話していきます。 本来、食事からエネルギーを得ることで自然治癒力もしっかり働いてくれるのですが、一歩間違えると逆に自然治癒力の働きが鈍くなることもあるのです。

 

消化に使うエネルギー

 ヒトの活動の中でエネルギーを膨大に使うのが、『消化』です。毎食お腹がいっぱいになるまでご飯を食べていると、消化を最優先してしまい、更に膨大なエネルギーを消化に充てなければならない状況となるのです。

 

 必要以上に消化にエネルギーを取られると、免疫やホルモン、自律神経の調整といった自然治癒力の発揮に必要な機能にエネルギーが回らなくなってしまいます。

 

 いくら良い食事内容を心掛けようが、必要以上に摂取すると、元も子もないということです。

 

 あと、咀嚼回数(噛む回数)が足りないと、適量の食事量でも消化に使われるエネルギーが多くなってしまうのは、容易に想像できるかと思います。

 

 咀嚼で食材をなるべく小さくして唾液を混ぜることで、内臓負担をかなり軽減することができる素晴らしいシステムなのですが、今の人は噛む回数がかなり減少傾向にあるみたいですね…。固形に近ければ近いほど、それを消化するのにエネルギーを使ってしまいます。 


「いい食事にしてるはずなのに、風邪引くなー」とか、
「すぐ眠くなるんだよなー」とか、
「朝起きるのがつらい」とか、

 もし、上のつぶやきみたいなことがあれば、それは食事の量と咀嚼回数を見直すことで改善される可能性がありますよ!

 

 日本に古くから伝わる『腹八分目』とはよく言ったものですね。

ちなみに、それよりももっと古代– 紀元前3800年のエジプトピラミッドに刻まれた言葉に、「我々が食べているものは余分なものが多い。人は食べたものの1/4の栄養で十分に生きられる。残りの3/4は病気の元となり、そのお陰で医者は暮らしているのだ。」

 とあります。ヒトの欲望・食欲のままに食べると、不調を呼び寄せてしまうわけですね。健康のカギを握る食事のはずが、逆の結果に繋がる恐れもあるのです。

 

 仕事の合間に、ちょこちょこと甘いものをつまんだりすると、その直後は幸せな気分になりますが、時間が経つとその代償は過度の疲労やイライラとなって返ってきます。

 

 そして再び甘いものを摂取する…という無限甘味ループにハマります。身近な甘いお菓子などには白砂糖が大量に使われています。白砂糖がなぜ身体に悪いかは別の機会にお話するとして、これ完全に「白い粉のやばい薬」(笑)と同じことが起きていると思いませんか?

 

 ちょこちょことお菓子などを摂ることで、内臓は消化を繰り返さなければなりません。その度に、他のことに使う予定だったエネルギーが消化に使われてしまうわけです。これでは、集中力がきれたり、イライラしたり、疲労感が強いのも当然の結果と言えるでしょう。

 

 あと、「食事には肉を食べないと気が済まない」という方も注意が必要です。食材によって消化にかかる時間、つまり消費エネルギー量が異なるのですが、

肉類 > 米やパンなどの炭水化物系 > 野菜 > 果物

左に行けば行くほど、消化に時間がかかります。それだけエネルギーを費やしてしまうのです。

 

 ※ちなみに、ライオンなどの肉食動物は一回の食事を終えると、木の陰でダラダラと過ごすことが多いのですが、これは肉の消化・解毒に使うエネルギーが多いため、体力を温存しているためです。

 

まとめ

 いろいろ書きましたが、今回のお話で一番言いたいのが、自然治癒力を高めたいのなら、「腹八分目」ということです。必要以上に消化エネルギーを使わないこと。そうすることで余ったエネルギーを自然治癒力の活性化に充てることができるのです。