自然を巡る生き方。 -生命と自然治癒力-

自然に則して生きることができたら、生命はもっと幸せなのだと思う。

腹式呼吸はお腹を膨らませるんじゃない、横隔膜を上げ下げるんだ!

 前回は、呼吸法マスターのための知識補充についてお話しました。
今回は、いよいよ実践編です。余計なストレッチや筋トレなどは省いて、呼吸に関連することしかお伝えしないので、効率よく・短時間で習得できますよ!

 

腹式呼吸 ~お腹を膨らませるんじゃない、横隔膜を下げるのだ~

 腹式呼吸と言えば、「お腹を膨らませてー!」と

書いてたり、アドバイスを受けることが多いと思うのですが、これだと呼吸しにくいと思うんです。

 

 確かに腹式呼吸はお腹が膨らみますが、吸った酸素が実際にお腹に溜まっていくわけではないので・・・。(笑)

 

 腹式呼吸は、横隔膜の収縮によって横隔膜が下に下がります。すると下位肋骨が外側へ拡がると同時に、下がった分のスペースが空きますね。そのスペース分、胸郭・肺が更に拡がることができる⇒たっぷり呼吸を取り込めるという仕組みです。

拙い絵で説明するとこんな感じです。ほんとに拙い・・・。(悲)

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腹式呼吸によって(横隔膜の収縮)下位肋骨を拡げる(ここで7割)とともに、確保できたスペースに、胸郭を更に拡げるために、最後に胸式呼吸を「スッ!」と(ここで3割)使って大きく胸郭・肺を拡げるのです。

 

 こうすることで『腹式:胸式=7:3』の黄金バランス呼吸が完成します。

 

 けれど、初めて呼吸練習をする方にとっては難しいですよね。ましてや今まで浅い呼吸や良くない姿勢を取り続けてきた方にとっては超難易度の高い練習です。

 

 そこで、呼吸法の前に取り組んでもらいたいことをいくつか挙げていきますね!

 

腹式呼吸を獲得するために ~準備運動~

 

 呼吸で横隔膜を動かそうとしても、肝心の横隔膜が硬けりゃ元も子もないですよね。そのような方が呼吸法だけで動かそうとするには至難の業です。変な力が入って首・肩の呼吸補助筋が働いてしまう可能性大でしょう。

 

 横隔膜自体が硬くなっているだけじゃなく、横隔膜とくっ付いている周りの骨・筋肉の動きが悪いことも横隔膜が動きにくくなる原因の1つです。ここを叩きましょう!

 

 まずは、仰向けになります。最初のうちは立ちながら・座りながらだと、別の機能も働き始めて横隔膜の動きが感じ取りにくいので、仰向けがお勧めです。

 

 横隔膜両手を肋骨の一番下(斜めになっているところ)に置きます。ゆったりとした呼吸をしながら、吐くときに指を肋骨の内側に入れていきます。吸うときは入れた指を少し緩めます。  

吐くときはゆーっくりね。

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・・・不安を煽る絵ですねーーー。(笑)

 

 横隔膜の上下の動きも手で感じ取ってください。横隔膜はこうやって動いているのです。そしてこの動きを意識した呼吸が『腹式呼吸』なのです。

 

 まずはこの動きを目一杯意識してください。仰向けの状態でコツを掴めたら、今度は座位でも同じように行っていきます。座位ができたら、膝立ち⇒立位と進んでいきます。

 

 さて、座位以降のどこかで急に横隔膜の動きが弱くなってしまった方、いるのではないでしょうか?

 

 仰向けだと、余計な緊張が入らないので上手くいきやすいのですが、座位になると、股関節・骨盤・脊柱・胸郭・肩・首・頭が一気に重力に抗して積み重なりますよね。(抗重力位) どこかに歪みや余計な緊張が入ると、一気に呼吸しづらくなります。

 

 そんなとき、まず試してもらいたい部位が、股関節・骨盤です。実は、横隔膜と繋がっている筋肉があるのです。それが『大腰筋』という筋肉です。

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出典:理学療法士のカラダブログ

 

 上図のように、横隔膜と大腰筋は繋がっています。どちらかが硬くなれば、もう一方にも悪影響を及ぼしてしまいますね。そして、この大腰筋は骨盤と股関節を経由して大腿骨に付いています。

 

 現代人は1日の中で座っている時間があまりにも長い。移動のとき、仕事のとき、家でのスマホ・PCをしているとき、TVをみるとき・・・。

 

 かなりの時間、股関節が曲げっている状態ですよね。この大腰筋はずーっと収縮させられていて、知らぬ間に硬くなっていることがとても多いです。

 

 この硬い部分をやっつけてみましょう。

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はい。お尻から血を流しているヒトを描いたわけではありません。(笑)
片足を前に出して、そのままの状態で少しずつ身体を前方に動かします。股関節の付け根にある大腰筋が伸びる感じが味わえると思います。

 

 これがきついなら、

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これでもOKです。ベッドに仰向けになって、片足をベッドから出します。もう片っぽの足は手で自分の胸に引き寄せます。

 

 これをやっているときにも、腹式呼吸は意識して行ってくださいね。

 

今回はここまで!次回は、呼吸に関連する部位と、それぞれの解消方法をお伝えしていきます!

 

 ※この記事を書いていて、自分でも目的を見失いそうになりましたが、ストレッチして健康になりましょう!と言っているわけではありません。

 超効率の良い呼吸を獲得して、『自然治癒力』を爆発的に引き出すことが目的です。

 

 なので、自分で継続することが何よりも重要です。自然治癒力は2-3日ですぐに引き出せるものではなく、じっくりと向き合うことで徐々に向上してくるものですからね!

 

 ここで上げた方法はぜひ続けていただきたいです!1日10分からでもいいので(*'▽')