自然を巡る生き方。 -生命と自然治癒力-

自然に則して生きることができたら、生命はもっと幸せなのだと思う。

肩甲骨・胸郭・脊柱と呼吸の関係 -体幹の総まとめ-

 前回まで、呼吸に関係する重要な5つの部位のうち、体幹にあたる3つの部位(肩甲骨・胸郭・脊柱)のお話が終わりましたね。残りの2つ(骨盤・股関節)に進む前に、体幹の部分と呼吸に関しての総まとめに入って、一度整理したいと思います(*'▽')

 

超おさらい。。。呼吸のことを数日間に渡ってまとめているせいで、目的を見失いそうになったので今一度(笑)


 Q.なぜ呼吸にこだわっているのか?
 A.このブログのタイトルにも書いていますが、『食事』と『呼吸』というヒトに欠かせない2つの行動が、実は真の健康に繋がると確信しているからです。(詳しくは過去の記事をご参照して頂けると幸いです。

呼吸と体幹の関係性

 呼吸は、肺だけで行っているものではありません。

脳・神経・筋肉・骨、それぞれが互いに補助し合うことで理想的な、本来の呼吸が行えるわけです。

その状態だと、1回の呼吸で全身の細胞へ酸素・栄養を行き渡らせることができ、不要な老廃物などを一気に回収してくれます。

1回の呼吸の質を変えることは、全身の質を変えることと等しいのです。


 息を吸ったり吐いたりするときは、脳・神経から筋肉へ命令が行き、それに伴い骨を柔軟に変化させます。この一連の流れでスムーズな呼吸ができます。


■息を吸うとき

 横隔膜は収縮すると下に下がります。すると胸の中の空間が拡がります。↓ ↓

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外肋間筋は収縮すると肋骨を上へ持ち上げます。すると、またもや胸の中の空間が拡がります。↓ ↓

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この2大吸気筋のおかげで、一気に肺が拡がるための空間が作り出されると同時に、肺が膨らみます。


肺は、『上は鎖骨・下はみぞおち・背中側は脊椎より後ろまで』という驚きの膨張をみせます。↓ ↓

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しかし、この驚きの膨張率を再現するには、横隔膜・外肋間筋の作用だけでは足りないのです。そこで必要となってくるのが、「肩甲骨・胸郭・脊柱」という3大骨格です。

 

肩甲骨

 息を吸うとき、肩甲骨は胸郭の拡がりを邪魔しないように、内下方(内側と下側)へ移動します。

 

胸郭

 胸郭は肋骨の動きに合わせて動きます。しかしその動きは単一ではありません。

息を吸うとき、

上部肋骨は前後方向動き、これをポンプハンドルモーションといいます。

下部肋骨は横方向へ動き、これをバケツハンドルモーションといいます。

この動きを引き出せないと、いくら横隔膜が頑張ったところで、肺は膨らんできません。

胸郭を創り出している胸骨・肋骨・胸椎と、136個の関節(肋椎・胸肋関節)の動きができてこそ、肺は思う存分膨らむことができます。

 

脊柱

 胸郭・肩甲骨の連携で、肺が大きく膨らむとき、それを最後に一押し手伝ってくれるのが脊柱(胸椎)です。

上部肋骨は前後方向へ拡大(ポンプハンドルモーション)するとき、胸椎に柔軟性があれば、しなるように動くことで、前後方向への動きを優しく包み込んでくれます。

もし、胸椎がガチガチであれば、後ろ側の膨らみが阻害されてしまうでしょう・・・。

 

まとめのまとめ

 これらの脳・神経、筋肉、骨格の連携が噛みあうことで、理想的な呼吸が実現するのです。(骨盤・股関節を含めていないから、正確には7-8割かな?)

 この呼吸ができると、「今までの呼吸は一体何だったんだ⁉」と思うくらいです。ヒト本来の力を発揮した呼吸には、とてつもない力があります。

 1つ1つの細胞がちゃんと働いてくれているんだなー。というあいまいでぼんやりとした、それでいて確かな感覚がわかります。

 自然治癒力の底上げ爆上げです。(笑)


 

次回からは、後半戦、「骨盤・股関節と呼吸」についてお話していきますね!(*'▽')