いきすぎた柔軟性や筋肉は怪我や不調の原因? 運動のコツは、-赤ちゃんが学習したことが基本-
バレリーナなど、柔軟性が高い人たちほど、ケガが多いです。
アスリートなど、筋肉をたくさん付けている人ほど、体調を崩しやすいです。
一見、健康にそうに見えますが、なぜケガや不調を起こしやすいのでしょう?
安定のために固くなる
ヒトは誰でも最初は柔らかいです。赤ちゃんのときなんてぐにゃぐにゃしてますよね。
それが成長するにつれて、立って歩く必要がでてきます。
このときに筋・関節が柔らかすぎると問題なのです。
だから、荷重をかけて少しずつ筋・関節を固くすることで代わりに安定性を得ているのです。
つまり、柔軟体操ばっかりしていたり、それに特化していると、荷重に対して弱くなってしまうのです。
足首・膝・股関節・腰などに痛みがでたり、捻挫をしやすくなってしまいます。
これが、バレリーナなどの柔軟性の高い人がケガしやすい理由です。
生命活動に回すべきエネルギーが筋肉にとられる
次に、アスリートやボディビルダーが体調不良を起こしやすいことに関して。
ヒトは、全身の様々な場所で細胞が代謝をすることで生命活動ができるエネルギーを作っています。
そのエネルギーは体温だったり、免疫だったり、ホルモンだったり、実に様々な場所で役に立っています。
では、筋肉を増やすトレーニングをたくさんしたり、運動ばかりしているとどうなるでしょうか。
本来であれば、自律神経の調節や免疫強化に使うべきだったエネルギーが、筋肉に取られてしまうのです。
このように、筋肉が常にエネルギーを大量に必要としてしまう状態が続くと、身体の修復・回復システムが上手く働かなくなります。
すると、簡単に風邪をひいたり、よくわからない不調(不定愁訴)を訴えることになるのです。
赤ちゃんが歩んできた道のりをしっかり学び直すだけでOK!
ぐにゃーっとした柔軟性も、隆々な筋肉も必要ありません。
何でもそうですが、いきすぎてしまうとよくない結果が待っていることが多いです。
基本は、赤ちゃんが通ってきた道をしっかり見つめなおすこと。
実に理にかなった成長を遂げています。
仰向けの状態から、呼吸筋(横隔膜)と体幹(特に腹部)筋を少しずつ鍛え、正面の土台を作ります。
寝返りができるようになると、今度はうつ伏せで背筋や殿筋を鍛え、背面の土台を作ります。
全身の土台が形作られる頃に、ずり這やハイハイで更にコアを鍛えつつ、四肢と体幹の協調的な動作を学びます。
そうやって1つずつ課題を作り、最終的に立ったり歩いたりができるようになります。
実はこの段階が一番健康なのです。
小さいころ、肩こりや腰痛はありましたか?きっとそんな人はあまりいないでしょう。
赤ちゃんが培ってきた基本的な運動・動作を丁寧に学習し直すことができれば、今の身体・心の不調はずいぶんとラクになりますよ。
いきすぎた柔軟や筋肉・持久力は必要ありません。
そんな運動は自然に反しています。
自分を見つめなおして、丁寧に運動することが大事です。
自然に、自分が歩んだことを行うと、身体・心は自然に良い方向へ向かいます。