健康のカギ:『腸内細菌』 腸内細菌が喜ぶ食事ってどんな食事?
今、何だかわからないけれど、不調がある方へ。
食事1つで大幅に改善できる可能性大です。
今回は、特に大事な要素である『腸内細菌』が喜ぶ食事を摂り、不調を吹っ飛ばしましょう!
腸内細菌
腸内細菌については、以前にもお話しました。
腸内細菌の役割として、
・食物の消化・吸収の補助
・ビタミン、ミネラルなど栄養素の供給
・腸管運動を調節し下痢や便秘の予防
・酵素の活性化
・人が利用できない食物繊維を分解・利用する
→栄養の吸収や代謝(エネルギー産生)への転化
・毒素(有害物質=農薬、添加物、放射能など)の分解
・免疫系の活性化と調節(感染防御、炎症・アレルギー・膠原病などを抑制)
・病原菌の侵入を阻止・駆除
→排出能力の向上、病気や不調にならない身体へ
・神経系や大脳活動の調節(神経伝達物質の産生の補助など)
→腸脳相関
など、ざっと簡単に上げてもたくさんでてきます。
これらすべてが作用しあって、自然治癒力へ繋がります。
腸内細菌が喜ぶ食事その1:炭水化物(食物繊維と多糖類)
まず、炭水化物について説明します。
ここがごっちゃになると混乱してしまうので、覚えてしまいましょう。
炭水化物という言葉は、食物繊維と糖質と糖類を合わせたものです。
炭水化物 = 食物繊維 + 糖質 + 糖類 です。
この時点で、「炭水化物抜きダイエット」という言葉がいかに恐ろしいかわかるでしょう。
あれは身体に良いことなんて1つもありません。
さて、腸内細菌は炭水化物を全て喜んで受け取るわけではありません。
腸内細菌が喜ぶのは、『食物繊維』と『多糖類』です。
なので、正確には炭水化物を好むのではなく、炭水化物のうちの、食物繊維と多糖類ですね。
食物繊維
食物繊維は「水溶性」と「不溶性」に分かれます。
「水溶性」
水溶性食物繊維とは水に溶ける性質を持った食物繊維。
水に溶けるとドロドロのゲル状に変化します。
■効果
・便の水分量を増やし柔らかくする→便通の改善
・腸内の善玉菌を増やす
・小腸での栄養素の消化吸収をゆっくりにする→血糖値の急上昇を抑える
・有害物質を吸着して体外へ運ぶ
■多く含む食品
・ごぼう、らっきょ、にんにくなどの野菜
・干ししいたけ、梅干し、切り干し大根、ドライフルーツなどの干し物
・納豆
・海藻類
・山芋、オクラなどネバり物
・大麦
「不溶性」
不溶性食物繊維は水に溶けない食物繊維。
腸内で水分を吸収し、膨らむ性質を持つ。
■効果
・便のかさを増やす
・蠕動運動を促進
→排便を促す
・有害物質を体外へ排出
■多く含む食品
・イモ類
・豆類
・きのこ類
・ほうれん草、ブロッコリー、ニンジン、もやしなど
ちなみに、米を比較すると、白米よりも玄米のほうが、水溶性・不溶性ともに多く含有されています。
また、白米は精製されたもの故、血糖値が急激に上がりやすい食品の1つです。
以上のことから、やはり主食は玄米にするべきだと思いますね。
水溶性・不溶性のバランス
水溶性 : 不溶性 = 1 : 2
このバランスがベストだと言われています。
食事だけで考える場合、水溶性が多すぎると下痢気味に、不溶性が多すぎると便秘になりがちです。
しかし、あくまでもバランスの良いとされる割合です。
あとは自分で試してみて便の状態を確認しつつ、食べ物を変えると良いでしょう。
自分の身体に合った割合を見つけることこそ、本当のベストなバランスです。
毎日食べたものを記録することで、振り返りと修正がしやすくなるのでオススメです。
多糖類
多糖類とは、糖類が多数組み合わさったものの名称です。
多数組み合わさっているが故、消化に時間がかかるのですが、これが良いのです。
腸内細菌は主に大腸に多く住んでいますので、栄養が大腸まで届かないといけません。
多糖類は、小腸だけでは消化・吸収されずにしっかり大腸まで届きます。
一方、単糖・二糖類では、消化・吸収されるのが早いため、大腸まで届きません。
また、単糖・二糖類は吸収スピードが早いため、急激に血糖値が上がります。
このような急激な上昇・下降は、膵臓をはじめ、様々な臓器や血管にダメージを与えてしまいます。
■腸内細菌に良い多糖類
玄米・イモ類・豆類(特に未精製のものが良い)
腸内細菌が喜ぶ食事その2:発酵食品
発酵とは、微生物がその食品を分解して変化させることです。
その過程で、ビタミンやミネラル、腸内細菌に良い影響を与える効果が付与されます。(善玉菌が増える、善玉菌のエサとなるなど)
たくさんの微生物が含まれている発酵食品は、偉大なる生命の塊です。
そのため、多様な菌をバランスよく取り込めることができます。
腸内細菌も、アミノ酸やビタミン・ミネラルなど、多種多様な栄養素を必要としています。
腸内細菌が喜ぶ条件がたくさん詰まっているのがわかりますね。
日本の伝統的な食事がイイ!
やはり日本の伝統的な食事は腸内細菌が喜ぶようになっていますね。
この食文化は大事にしていきたいものです。
あとは、できるだけ無農薬・有機栽培のものを選びましょう。
ヒト・生命・自然・地球を考えた生活を少しでも多くの方が実践することを願います。